2017年12月06日

シラー教授、過去と現在は物語が違う

トランプさんがエルサレムをイスラエルの首都と認定したことで、地政学的リスクが高まり日経平均が-445円の急落です。
米国株も急落でしょうか?
これをピンチと見るか、チャンスと見るか?
ハイテク株買いの絶好のチャンスとなるかも知れません。

株は本当に割高なのか?
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ノーベル経済学賞を受賞したエール大学のロバート・シラー教授は、1980年代に景気循環調整後の株価収益率(PER)、すなわち株価を過去10年のインフレ調整後平均利益で割ったCAPEレシオを開発しました。
そのCAPEレシオは31倍と過去最高の水準にあり、現在の水準を上回ったのは、世界大恐慌のきっかけとなった1929年の大暴落の直前(32.5倍)と、1999年末のハイテクバブルが崩壊する前(44倍)の2回だけです。

シラー教授は、現在の株価を割高だと思っているのでしょうか。

シラー教授は、
「現在、FRBは株価が明らかに割高だと繰り返し発言しているが、当時と今とでは社会環境が大きく異なる。
現代社会を取り巻く物語はトランプ大統領だ。
トランプ大統領の物語は企業寄りで、人々は株価暴落などまるで念頭にない。」
と語っています。

そして、CAPEレシオは気にしなくてよいのか、との質問に対して、
「CAPEレシオを完全に否定はしないが、現在の市場は変動を乗り切るだけの力がある。
最近では、ロボット工学や人工知能といった新たな物語が懸念材料として急速に浮上しており、音声認識ソフト、翻訳プログラム、自動運転車など、ロボット時代を生き残る企業への投資意欲が高まっている。
いわゆるFANG銘柄をはじめとするハイテク株の人気が高まっているのはそのためだ。
新たな技術は今後も次々と生まれ、テクノロジーをめぐる物語はしばらく続くだろう。」
と予想しています。

また、経済学の専門家は、人々の心理的な力を考慮せずにGDPや失業率などを予測しようとする。
しかしシラー教授の物語経済学とは、物語を通じてアニマルスピリットは変化するという考え方で、もっとアニマルスピリットを考慮すべきだと主張しています。

今後の経済はどうなる?
「FRBはゆっくりと金利を上げ、量的緩和を縮小しようとしているが、その過程で何が起こるかわからない。
債券市場が暴落するかもしれないし、長期停滞となる可能性もある。
トランプ大統領はアニマルスピリットを刺激しているが、揺れ戻しが起こり、景気が再び後退することもあり得る。
予想もつかない新しい物語が生まれるかもしれない。」
と述べ、

さらに
「次に市場が暴落するとしたら、他者の考えが変わったと人々が思い始めたときだろう。
正確な予測はできないが、それほど遠くないはずだ。
過去の弱気相場を振り返ると、株価がピークを付ける前に株価ボラティリティは1年ほど低水準が続き、弱気相場が進むにつれてボラティリティは上昇する。
企業利益は好調に伸びているが、安心してはいけない。
1929年に株価がピークを付ける前の1年間に、企業利益は約20%上昇していた。
さらに、1929年の企業利益の伸び率は高く、ボラティリティは低かった。」
と語っています。

現在の株価は、市場が強気な現在においては、単純に割高とはいえないが、市場の考えが変わって弱気になった時には、明らかに割高になる。
株式市場とは、指標という単なる数値ではなく、アニマルスピリット(市場参加者の感情)に大きく左右されるということですね。

そしてシラー教授は、市場の考えが変わる時が、そう遠くはないと考えているようです。

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(2017/12/06)ダウ平均:24180.64、S&P500種:2629.57、日経平均:22177.04、ドル円:112.149
posted by どにゃるど.com at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記
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